ハスカー・ドゥ

一時アメリカではグリーン・デイオフスプリングSum41などのように、ポップ・パンクが全盛だった時代がありました。
でも彼らがいなかったら、そんな時代は来なかったか、もしくはだいぶ遅れていただろうな、と思います。その彼らとはハスカー・ドゥです。


ハスカー・ドゥは79年に米国ミネアポリスで結成され、主にハードコア・シーンで活動していましたが、そのメロディアスな音と非反逆的な歌詞が逆に注目を集め、徐々にファンを増やしていきます。
僕は85年くらいから彼らを聴くようになったのですが、その一足早いポップ・パンクと言うべきメロディアスさと肯定的な音の張りに、ハードコアとは思えない親しみを感じて好きになりましたっけ。
特にボブ・モウルドの武骨だけど時に感情を激発させるヴォーカルと、爆発と沈降を見事に伝えるギターは素晴らしくカッコよかったと思ってます。


Husker Du - Could You Be The One?


87年にリリースされた6thアルバム『Warehouse: Songs And Stories』に収録されている曲。
後のグリーン・デイを彷彿とさせるポップなメロディーラインと、ストレートだけどぶ厚いギターの音、無愛想なヴォーカルが魅力ですね。短めのギターソロも好きです。
このシングルはメインストリームでの成功とかとは無縁(それでも一応メジャーからリリースしてはいる)でしたが、とっつきやすくて今聴いても時代を感じさせないのが良いですね。


ハスカー・ドゥは88年に音楽性の違いで解散してしまいますが、「爆音ギターにポップなメロディ」という後のグランジの元祖のようなサウンドを確立したこともあり、 90年代に入った頃から「グランジのゴッド・ファーザー」のひとつとして再評価され、現在もリスペクトの対象になっています。
ボブは解散後一時はシュガーというトリオ・バンドを結成し、マニアから高く評価されました(僕も買った)が、現在はソロになっているようです。