ザ・ナック

ここ2日間くらい再び精神の具合が悪くなって、仕事を休んで医者通いしていたんですが。
今日はだいぶ調子が良くなってきました。来週からは仕事にも行けそうです。日曜日の握手会はどうかな。体調と相談して判断します。


そんなわけで臥せっているときに、たまたまちょっと「一発屋」というものについて考える機会があったんですが、とりあえず頭に浮かんだのがザ・ナックでした。
ザ・ナックは79年に彗星のように現れ、『My Sharona』を大ヒットさせたんですが、後が続かずフェードアウトしていったので、一発屋の汚名を着せられることとなりました。


The Knack - My Sharona


うーん、懐かしいですね。僕が中学生の頃に発売されたんですが、当時は周囲の誰もが知ってるレベルでした。
リフのアクセントと明るくドライブするベースラインにインパクトがあって、今聴いてもなかなかいい曲です。
何年か前に一世を風靡した女芸人エド・はるみもネタのときにこの曲をBGMに使っていましたので、若い人でも知っているかもしれません。しかしエドさんも見事に一発屋になったなあ。


ところであまりにこの曲の印象が強過ぎて、ザ・ナックは一発屋と呼ばれるようになってしまったのですが、実際は一発屋じゃなかったりします。
実は他にもビルボードのTOP40入りした曲が2つあるんですね。アメリカではシングルがTOP40に1曲だけ入ったことのあるミュージシャンを「ワン・ヒット・ワンダー」と呼びますが、その中にも入りません。
せっかくですから、他の2つのヒット曲も載せてみます。


The Knack - Good Girls Don't


これは79年にリリースされたセカンドシングル。ビルボードで11位を記録しています。
まだ『My Sharona』の余韻が残っていた頃の曲で、予約だけでこの位置につけたと当時ラジオで言っていたような気がしたんですが、何せ昔のことなので記憶が曖昧で申し訳ない。
個人的にはビートルズビーチ・ボーイズのエッセンスが色濃く出ていて、なかなか悪くない曲かなと思っています。


The Knack - Baby Talks Dirty


80年にリリースされ、ビルボードで38位を記録したサード・シングル。
とりあえず『My Sharona』に変に似ていて、いかにも二番煎じみたいな感じのする曲です。
あまりにも巨大な成功を手にして、この後どうすればいいのかわからなくなって、自家撞着してしまったんでしょうか。だとしたら気の毒です。


その後ザ・ナックはヒットに恵まれなくなり、82年に一度解散。91年に再結成するもやはりヒットは出ず、完全に一発屋のレッテルは剥がれなくなってしまいました。
それでも98年にはあのテリー・ボジオをドラムスに迎えるなど、精力的に活動していましたが、2010年にリーダーでヴォーカルのダグ・ファイガー(当時はダグ・フィージャーと表記されていた気がする)が脳腫瘍と肺がんを併発してこの世を去ってしまいます。
汚名を晴らせずに無念だっただろうとは思いますが、一度は大成功を収めて「ビートルズの再来」とまで言われ、今も当時のファンの記憶に残っているのですから、それだけでも幸せではあったのかもしれません。