カテドラル

昨日紹介したナパーム・デスの分派に、カテドラルというバンドがあります。
ナパーム・デスのヴォーカリストだったリー・ドリアンによって結成されたドゥーム・メタル*1バンドで、ナパーム・デスに対抗してか、当初は「世界一遅いバンド」を標榜していました。
特徴は現代のバンドのはずなのに異様に音が古びているところ。どう聴いても70年代前半の音楽にしか聞こえないのがある意味すごいです。


Cathedral - Hopkins (The Witchfinder General)


これは95年にリリースされたアルバム『The Carnival Bizarre』に収録された、彼らの代表曲の一つ。
古色蒼然としたハードロックぶりと、ゴシックを狙ったら間違ってエログロに行っちゃいました的なPV、そして「俺の名はホプキンス。魔女狩り将軍だぁ」というバカの極致のような歌詞が素晴らしい。
リフは重いけどなかなかキャッチーで、ミディアムテンポのノリから生まれるグループ感もなかなか聞かせてくれます。
ちなみに「ホプキンス」というのは17世紀中頃にイングランド東部で魔女狩りを指揮し、「魔女狩り将軍」の異名をとったマシュー・ホプキンスのことです。
彼は町や村、もしくはその近郊に住む女性で、貧しく教養がない、あるいは友人が少ないといった特徴を持つものを選んで魔女に仕立て上げ、紐で縛り上げ水に入れて浮かべば有罪、沈めば無罪とする方法(洗礼を拒否した魔女は水に跳ね返されるために水に浮くという言い伝えから)をとるなどして次々と犠牲者を増やし、また魔女狩りを行うときに地元住民から特別徴税を行い大金を稼ぎ、一回ごとに当時の平均的な日当の300倍から500倍もの手数料をせしめていた、ということで悪名高い人物です。


カテドラルは現在も元気で活動しており、何度か来日公演もしています。

*1:ヘヴィメタルのジャンルの一つ。速くて過激な音像をステレオタイプ化されるメタルの中にあって、遅くてダウナーなサウンドが特徴。