ジーザス・ジョーンズ

突然の気まぐれで、デジタルロック系に飛んでしまいました。
なんか分裂症的な題材の選び方で申し訳ない。
つーわけで今回は、ジーザス・ジョーンズです。


デジタルロックとかデジロックとかいうジャンルは、今でこそ普通に用いられていますが、その先駆者的存在がこのジーザス・ジョーンズでした。
89年にデビューした彼らは、テクノ、ハウス、ヒップホップ、ロックをメカニカルな風味でミックスした先鋭的な音で、一躍時代の寵児となりました。
ビートが効いたグルーヴ感十分なバック・トラック、縦に横にと揺さぶりをかける攻撃的かつスムーシーなギターは、当時すごくカッコいいと思いましたね。
そして音は最新鋭でありつつも、英国ならではのトラディショナルなポップさを持っていたところがミソでしたね。そのせいか入り込みやすかったです。


Jesus Jones - Never Enough


1stアルバム『Liquidizer』からの代表曲。全英42位。
この性急なほどのタテノリぶりと、ブレイクの入れ方がすさまじくカッコいい。


Jesus Jones - Right Here Right Now


91年にリリースされ、100万枚以上を売った2ndアルバム『Doubt』からのヒットシングル。92年にビルボードで2位、オルタナティヴ・チャートで1位を記録しています(全英では31位)。
急激なブームに気圧されたのか、クラブシーンとの接点を目指す方向性を多少修正し、よりポップな曲調のギター・ロックにシフトした感じになっています。


しかし93年リリースの3rdアルバムでは、エフェクトを多用し洗練されたデジ・ロックを目指したものの、セールスは伸び悩み、ここから一気にジーザス・ジョーンズは忘れ去られてしまいます。
ちょうどブリットポップの隆盛期で、シンプルなサウンドが持て囃されるようになったのも逆風として働いたようでした。現在も一応バンドは継続しているようですが、浮上の兆しは見られません。
今ではブックオフの100円コーナーでCDが叩き売られる状態になっており、往時を知る者にとっては寂しい限りです。
いったん流行に乗っちゃうと、飽きられた後は省みられることもないというのが世の常でありますが、それにしても厳しいなあ。