プリファブ・スプラウト

昨日の続き。
トーマス・ドルビーがプロデュースした幾多の作品の中に、プリファブ・スプラウトの2ndアルバム『Steve McQueen』(邦題は『スティーブ・マックイーン』)があります。
これは本当に名盤でしてね。一時は毎日のように聴いておりましたっけ。今でも聴くたびに胸が焦がれるような瑞々しさを保っている素晴らしいアルバムです。
特に中心人物のバディ・マクアルーンのソングライティングはすごいです。バート・バカラックやジミー・ウェッブ、ソウル・ミュージックや映画音楽などの影響を強く受けていつつも、それを柔軟に咀嚼した作曲を行い、「ニュー・ウェイヴ以降に登場した最高のソングライターの一人」と高く評価されています。
前作『Swoon』では転調を多用し、スティーリー・ダンっぽくひねった技巧的なメロディーが目立ちましたが、このアルバムは正攻法の必殺メロディーが全編に炸裂しています。


Prefab Sprout - Appetite


『Steve McQueen』に収録された曲。
この曲の12インチシングルを新宿の輸入盤屋で買ったんですが、そのメロディーの良さにかなり強い衝撃を受けました。
特にヒットはしませんでしたし、代表曲でもないのかもしれませんが、思い出補正込みでこの曲が彼らの中では一番好きですね。


Prefab Sprout - When Love Breaks Down


同じく『Steve McQueen』に収録された彼らの代表曲。
美しいメロディと辛辣な歌詞のコントラストが際立つ、ポップ史に残る名曲です。
ちなみに『Steve McQueen』は米国では映画俳優のスティーヴ・マックイーンとの関連から『Two Wheels Good』とアルバム・タイトルを変えられた挙句、ビルボード・チャートでは178位に留まるという散々な結果に終わったんですが、英国では2位にまで上昇する大ヒットとなっています。


その後バンドの活動は停滞し、ドラマーのニール・コンティや女性ヴォーカリストのウェンディ・スミスが脱退してしまいます。
肝心のバディも病気の静養に入るなど苦難が続き、もうバンドとしての活動はないのではないかと思わせたくらいでしたが、09年には待望のアルバムをリリースし、元気なところを見せてくれました。