ケヴィン・エアーズ

突然ですが、カンタベリー・ミュージックの大御所であり、あのソフト・マシーンのオリジナル・メンバーでもあったケヴィン・エアーズが亡くなったそうです。


ケヴィン・エアーズが死去 - amass


自分はプログレはそこそこ聴くんですが、カンタベリー・ミュージックはジャズっぽいという印象があって、そんなに聴く機会はなかったんですね。
ただ最近は年齢のせいか、ジャズの良さも分かるようになってきたので、そろそろソフト・マシーンあたりから順にちゃんと聴き直してみようかしら、などと思っていました。
そんな調子ですから、自分のエアーズに関する知識はそれほどありません。聴き込もうとした矢先に亡くなってしまったわけですから。
知っていることと言えば、ソフト・マシーンのオリジナル・メンバーであること、ジミヘンと一緒にアメリカツアーをしたけど、様々なトラブル(これは彼の放浪癖にも原因があったらしいですが)やドラッグによって疲弊して脱退してしまったこと、その後スペインのイビサ島に隠棲し、そこからソロ・ミュージシャンとして音楽を発信し続けたということくらいでしょうか。
あとブライアン・イーノジョン・ケイル、ニコらとアルバムを出したこともあったようですね。残念ながら未聴ですが。
調べてみると最近はフランス南部に居を移し、元ポリスのアンディ・サマーズや元テンペストの故オリー・ハルソールらとともに作品を制作していたようです。


Kevin Ayers - Song for Insane Times


69年リリースの彼の初ソロアルバム、『Joy of a Toy』の中の一曲です。
ジャジーで洗練された雰囲気だけど、どこかに狂気の潜んでいるようなサウンドは、自分の持っているソフト・マシーンのイメージどおりです。


Kevin Ayers - The Clarietta Rag


これも『Joy of a Toy』の中の一曲。
いかにもUKらしい小粋なメロディーの光るアップテンポのナンバーです。ちょっとキンクスっぽいと思うのは気のせいでしょうか。


Kevin Ayers - Lady Rachel


これも『Joy of a Toy』の中の一曲。
サイケデリックな雰囲気のオルガンと、親しみやすい癒しのメロディーが絡んで不思議な感覚を生み出しています。ライブでの定番曲でもあったようですね。


全部デビューアルバムからの紹介になってしまいましたが、これは自分がこのアルバムしかきちんと聴いてないからというのもあります。
このアルバムには後に『Tubular Bells』で有名になるマイク・オールドフィールドや、サックス奏者のロル・コックスヒル(この人も去年亡くなっています)の他、ソフト・マシーンで同僚だったロバート・ワイアットやマイク・ラトリッジらも参加しています。ソフト・マシーンっぽいのはそのせいもあるのでしょうか。


ミュージシャンの死はそれこそ何百回もニュースで聞いていますが、何度聞いても慣れることはありませんね。
68歳というのはまだ早いと思うのですが、記事にもあるように「眠るように亡くなった」というのなら、きっと安らかな死だったのでしょう。それだけが救いです。
ご冥福をお祈り致します。安らかにお眠り下さい。