ジェリーフィッシュ

今日は90年にデビューしわずか3年あまりで解散してしまった、サンフランシスコ発の伝説のパワーポップ・バンド、ジェリーフィッシュです。
彼らは3年間の活動でわずか2枚のアルバムを発表しただけですが、オールド・ミュージックに対する純粋無垢なリスペクトの表れたポップなメロディーが受け、一部で高い人気を誇りました。
当時彼らの活動するアメリカではグランジオルタナティブムーブメントの真っ只中だったため、全くと言っていいほど評価されなかったのですが、日本ではイギリスから来たブリット・ポップブームが加熱しており、それと音の系統が似ていたためか、ジェリーフィッシュは好意的に迎えられ、多くのファンを魅了することになりました。
音の世界は緻密にして、繊細。意外すぎる転調、ドラマティックなアレンジ、圧巻のコーラスワークを駆使して、ビーチ・ボーイズやELO、10ccなどを思わせる絢爛たるポップミュージックを構築しており、「90年代に生まれたビートルズ」という表現まで使われたほどでした。


Jellyfish - Baby Coming Back


Jellyfish - New Mistake


両方ともポップミュージックが好きならぜひ聴いてみてほしいです。損はさせませんから。


しかし93年に、残念ながらジェリーフィッシュは解散してしまいます。
リーダーだったアンディ・スターマーは大のJ-POP好きで、来日公演でピンク・レディーの『S.O.S』をカヴァーしたほか、YUKIパフィーパフィーの名付け親も彼)に曲を提供したり、奥田民生とのコラボレーションも行っています。
そう言えば単独で来日した時に、奥田民生と一緒に『ダウンタウンのごっつええ感じ』にも出てましたっけw
ちなみにアメリカでは皮肉なことに、解散後に人気が上昇し、「オレはジェリーフィッシュから影響を受けた」という有名バンドも続出することになりました。アンディは「もっと早く言えば、バンドは消えなかったかもしれないのにね」と苦笑したとか。
もう一人の中心人物であるロジャー・マニングは、ベックのバンドメンバーとして活躍した後、現在はソロになっています。
彼はヴィンテージ・シンセサイザーの収集という、個人的に羨ましい趣味の持ち主でもあります。