スティッフ・リトル・フィンガーズ

たまには初期パンクもいいかな、ということで、ややマイナーなスティッフ・リトル・フィンガーズを。
彼らはオリジナル・パンクからハードコア・パンクに向かう端境期に、北アイルランドベルファストで結成されたパンクバンドです。
北アイルランドの置かれた政治的に厳しい現実を反映した熱い激情とエネルギッシュで力強い咆哮、バリバリに歪んだギター、小細工なしに押しまくる演奏、直情的なメッセージを真っ向から叩きつける歌詞など、当時の純情なパンク青年たちのひたむきな熱意と誠実さが一杯に詰まった音が特徴でした。
自主制作で発表したシングル『Suspect Device』は、戦火に荒れ果てた故郷ベルファストの光景を見ながら作り上げた彼ら初のオリジナル曲でしたが、これが著名なDJジョン・ピールの目に留まり、彼の番組でヘビーローテーションされて大反響を呼び、パンクスたちの支持を得ました。


Stiff Little Fingers - Suspect Device


むちゃくちゃストレートで荒々しい音ですが、そのぶん当時の北アイルランドの置かれた政治的に厳しい状況が反映されていると思います。
IRAとかいろいろありましたからね。そんな当時を思い起こしてしまう音でもあります。


彼らはその後も愚直にパンクサウンドを追求していきましたが、メンバー交代が相次いだり、時代の流れから話題にされなくなることも多くなったりして、80年代前半に解散。
しかし87年になんと元ザ・ジャムのブルース・フォクストンを迎えて(現在は脱退している)再結成し、91年、10年には来日するなど活発に活動しています。
パンクとしてのサウンドを守り続けることによって、派手ではないが着実なリスペクトを受けているようです。