マルコム・マクラーレン

またまたセックス・ピストルズ繋がり。
ピストルズ仕掛人であるマルコム・マクラーレンは、単なる山師と言っちゃえば確かにそうなんですが、しかし非常に存在感のある人物です。
彼はピストルズ解散後も、バウ・ワウ・ワウで派手な売り出し戦略を仕掛けるなど、その辣腕振りを存分に発揮していましたが、あろうことか自らアルバムも出していたりします。
マネージャーがアルバムを出すということ自体が、何ともアレな行為ですが、またしても一発狙いにいくという見事なまでの割り切りぶりで作ったアルバムを、本当にヒットさせてしまったのは素直にすごいと思います。


Malcolm Mclaren - Buffalo Gals


82年に全英9位のヒットを記録しています。


Malcolm McLaren - Double Dutch


こちらは83年に全英3位の大ヒットとなりました。


彼の場合ラップ、スクラッチ、ダブル・ダッチも全部流行として捉えていて、胡散臭さは最大級ですが、80年代初頭にヒップホップ・カルチャーをいち早く取り入れたその嗅覚と言うか、目端の利くところは評価されるべきだと思います。
音楽的には完全にプロデューサーのトレヴァー・ホーンの独壇場で、完全にコンピュータライズされたヒップホップという、きわめて予見的なサウンドの完成度は高いです。


ちなみにマルコムは2010年に中皮腫のため、64歳で永眠しています。
詐欺師的な人物として嫌われている彼ですけど、人格はとにかくとして仕掛け人としての腕前については、再評価してあげてもいいんじゃないかな、と思いますね。