コール・チェンバー

ここ二、三日あまりにやる事がないのでCD棚を整理しているんですが、こんなのいつ買ったっけというCDが結構出てきて驚きました。
自分がフリートウッド・マックとかウィッシュボーン・アッシュとかアヴェレージ・ホワイト・バンドとか持っているとは思いませんでしたよ。確かに昔は手当たり次第に買ってましたけど。
まあでもこのへんは結構な有名どころですから、何かの拍子に買っていてもそんなに不思議でもないのですが、出てきた中にはどんなバンドなのかなかなか思い出せないミュージシャンのもあるんですよね。
特に90年代後半以降のミュージシャンにそういうのが多いですね。70年代、80年代はまだ自分も若くて、どんな泡沫ミュージシャンでも覚えてしまうくらい記憶力も良かったんですが、90年代も半ばを過ぎるとこちらも三十路になって、いろいろ忘れてしまっているみたいです。
そんな忘却の彼方に追いやられていたバンドの中にも、改めて聴いてみると良いものもあったりします。ちょっと時間もないのでそれをネタにすることにしましょう。


今回取り上げるのは、90年代後半から00年代初めにかけて活躍した、コール・チェンバーです。
このバンドは94年に米国ロサンゼルスで、ヴォーカルのデズ・ファファーラを中心に結成されています。ジャンルは当時流行っていたヘヴィロックですね。
「コーン・ミーツ・セパルトゥラ」と形容されたこともありましたが、激重のベースがもたらすグループ感と、時にブチ切れ時に屈折するヴォーカルは、単なるフォロワーに終わらない独自性を持っていたと思います。
彼らは95年にコーンやリンプ・ビズキット、スリップノットらを見出した敏腕プロデューサー、ロス・ロビンソンの目に止まり、97年にロードランナー・レコードからデビューを果たしました。
最初は本国ではいまいち売れず、イギリスを含む欧州で評価される程度のバンドだったのですが、オジー・オズボーンの主催するロックフェスティバル、オズフェストで見事なパフォーマンスを見せ、オジーの妻でマネージャーでもあるシャロン・オズボーンに認められて、そのマネージメントを受けることになります。
これによって運が開けたのか、99年リリースの2ndアルバム『Chamber Music』(自分が持っているアルバムもこれ)がビルボードで22位、全英でも21位に入るヒットとなり、一躍注目のバンドとなるのです。


Coal Chamber - Shock The Monkey


『Chamber Music』収録曲。あのピーター・ガブリエルのカバーです。
彼らの曲は基本うるさいんですが、この曲は非常に聴き易いです。ハードコアなサウンドに原曲の持つポップさが上手く混ざり合い、なかなか面白い味を出しています。
時折ちょっとニューウェーブっぽい音使いをしているのは、原曲へのリスペクト的なところもあるのかもしれません。
またゲストヴォーカルとして、あのオジー・オズボーンも参加しています。奥さんのシャロンがマネージメントを担当していることから実現したんでしょうけど、なかなか豪華ですね。
しかしオジーのヴォーカルは唯一無二というか、予備知識なしで聴いてもすぐ分かるのがすごいです。まあ普通の人が聞いたら酔っ払いのおっさんが呻いているように聞こえるのかもしれませんが。
あと個人的にはベーシストが女性というのもポイント高いです。トーキング・ヘッズソニック・ユースなんかもそうですが、女性ベーシストってなんかカッコいいと思うんですよね。


彼らは00年に来日するなど活躍し、02年にリリースした3rdアルバム『Dark Days』もそこそこ売れたのですが、ヴォーカルのデズがサイドプロジェクトであるデビルドライバーでの活動に夢中になってしまい、そちらに専念するために03年には解散してしまいます。
デビルドライバーはつべで聴いてみましたが、もう思いっきりメロデスな感じになっていましたね。突進力が強烈な、攻めのサウンドでした。
またコール・チェンバーも昨年再結成し、オーストラリアやアメリカ、南米などでライブをやっているようです。