ジョー・ボクサーズ

泡沫バンドのお話をひとつ。
その昔、英国にヴィック・ゴダート&サブウェイ・セクトというパンクバンドがありました。
このバンドはヴォーカルのゴダートがソロになったために、82年に活動を停止するのですが、残されたメンバーがアメリカ出身の黒人ヴォーカリスト、ディグ・ウェインを迎えて結成したのがジョー・ボクサーズです。
僕もずっと忘れていたんですが、昨夜仕事をしていたときにふと思い出しまして、帰ってきてからつべを探してみたらあったので書いてます。


ジョー・ボクサーズは60年代のノーザン・ソウルの雰囲気たっぷりなダンサブルなサウンドと、Tシャツにサスペンダー、それにハンチングという労働者階級の誇りを露わにしたスタイルで、なかなかの人気を得ていました。
当時人気のあったデキシーズミッドナイト・ランナーズや、後発のスタイル・カウンシルにも通じる音ですが、両者と比べるとやんちゃな元気さみたいなものがあったのが特徴でしょうか。


JoBoxers - Boxerbeat


83年にリリースされ、全英3位のヒットとなったシングル。
今ひとつ洗練されてはいないですが(というか、かなり粗っぽいけど)、黒っぽいビートがカッコいい曲です。


JoBoxers - Just Got Lucky


これも同年にリリースされて全英7位のヒットとなり、全米でも36位にまで上昇したシングル。
ホーンが効果的で、軽快なノリのいいナンバーですが、ピアノの音色がちょっとノスタルジックな雰囲気を醸し出す、隠れた名曲です。
僕はどちらかと言うと、こちらの曲のほうが好きですね。


順調なスタートを切ったジョー・ボクサーズですが、85年の2ndアルバムをリリース直前にあっさり解散してしまいました。
後にキーボードのデイブ・コラードはザ・ザに、ベースのクリス・ボストックはスタイル・カウンシルに参加しています。
また01年のサブウェイ・セクトの再結成には、メンバー全員が参加しているそうです。