バウハウス

今日はゴスの元祖、バウハウスです。
78年に結成され、そのライティングを効果的に使ったシアトリカルなパフォーマンスと、独自の美学を徹底して追及したサウンドが、それまでのパンクやニューウェーブとはスタンスが明らかに違っていたこともあって、話題を呼びました。
またコンセプチュアルなアルバム作りをする反面、T.レックスデヴィッド・ボウイの曲をカバーするなどポップなフィールドへの目配りも見せていて、そのへんが他の同ジャンルのミュージシャンとは違ってユニークでしたね。
個人的に思う彼らの魅力は、ピーター・マーフィーの紙のように薄い歌声と、ダニエル・アッシュのコードを押さえる気がないんじゃないかと思わせる、耳をつんざくようなフィードバックを多用したギタープレイでしょうか。
ちなみに僕が初めてライブを観に行った外タレだったりもします。中野サンプラザでしたが、轟音がやたらと響いていて興奮したのを覚えています。


彼らはカバーに定評があるので、今回はそれを紹介します。


Bauhaus - Telegram Sam


T.レックスの名曲のカバー。
サビの部分になるまで何の曲かわからないくらい、自分勝手にアレンジしちゃってるんですが、バウハウスの音としては見事に成立しています。
つーかカッコいい。


Bauhaus - Ziggy Stardust


デヴィッド・ボウイの名曲のカバー。
これは『Telegram Sam』と違って、かなり原曲に忠実なカバーですね。ちょっとハードロックっぽいプレイもしています。
元が名曲のせいもありますが、このカバー自体もあまりに出来がよくてシングルとしてもヒットし、彼らにとって出世作となりましたっけ。


Bauhaus - Third Uncle


ブライアン・イーノのカバー。
原曲は70年代前半のものとは思えないくらい、先進的かつ変態的な曲なんですが、バウハウスはこれに思いっきりフランジャーを効かせて、ノイズの洪水のようにしちゃってます。
個人的にはどっちのバージョンも好き(面白いのはイーノ、カッコいいのはバウハウス)なんですが、バウハウスのほうが昔の音に聴こえるのがある意味すごい。



彼らはその後もテンションの高い音作りを続けていきますが、個々の音楽的嗜好の違いが徐々に大きくなり、83年の日本公演を最後に解散してしまいます。
その後ピーター以外のメンバーはラブ・アンド・ロケッツを結成して、全米でヒットを飛ばし、ピーターも元ジャパンのミック・カーンとダリズ・カーを組むなど、それぞれに活躍していましたが、98年に再結成し、日本公演も行っています。