オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク

今回はテクノポップのオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダーク(以下OMD)です。
彼らはアンディ・マクラスキーとポール・ハンフリーズの2人を中心としたシンセ・ポップ系ユニットで、79年にデビューし、英国のテクノポップの代表的存在となります。
クラフトワークやノイに影響を受けたという、ロックやブルース系の匂いを一切感じさせないサウンドや、メロディックでカラフルな楽曲作りが特徴で、80年代には多くのヒットを出しています。


Orchestral Manoeuvres In The Dark - Enola Gay


80年に発表された2ndアルバム『Organisation』からのシングル。邦題は『エノラ・ゲイの悲劇』。
全英でトップ10に入ったほか、日本でもニュース番組(確か『CNNデイウォッチ』だった気が)のテーマ曲として使われました。
タイトルからも分かるように、広島に原爆を投下したB-29をモチーフにした曲ですが、重々しいところは微塵もなく、それどころか思いっきり王道ポップスしています。
こちらからすると、そういうポップ職人っぽいところがむしろ清々しいのですが。


OMDは人気の上昇に伴ってライブ要員を二人加入させ、さらに叙情的でメランコリックな路線を突き進んでいきました。
しかし89年にマクラスキー以外のメンバーが脱退。その後はマクラスキー一人でOMDを名乗る状況が続いていましたが、昨年にはハンフリーズが戻り、14年ぶりにアルバムもリリースしています。