アート・オブ・ノイズ

トレヴァー・ホーンには自らのプロジェクトもありました。それがアート・オブ・ノイズです。
彼らはフェアライトCMIやイミュレーターを駆使し、効果音をサンプリングしたパロッキーで実験的なエレクトロニック・ミュージックを演奏するユニットでした。
当時は名前も顔も明かさない覆面ユニットでしたが、メンバーはイエスのアルバム『80125』や、マルコム・マクラーレンの作品でプログラミングやミキシング、エンジニアリングなどを担当していた面々で、のちにホーンの元から離れた際にメンバー名を公表しました。
自然音や他人の音源をサンプリングという形で拝借して作られた彼らの音楽は、メディアを通じてどんどん増殖し、知らず知らずのうちに僕たちの耳に何度も入ってきています。
またミュージック・コンクレート的な音作りは、90年代以降のテクノとダイレクトにつながっています。


Art Of Noise - Close(To The Edit)


1984年にリリースされた2ndアルバム『Who's Afraid Of The Art Of Noise?』(邦題は『誰がアート・オブ・ノイズを…』)に収録され、全英8位を記録した彼らの代表曲。
TV番組やCM、イベントなどのBGMや効果音として繰り返し使われていますので、どこかの部分の音を聴いた記憶のある人も多いんじゃないでしょうか。


Art Of Noise - Legs


この曲はMr.マリックのテーマ曲として知られていて、彼の登場時やマジックの披露後のBGMとして使用されています。
今聴いてもスネアドラムの音などは斬新です。


彼らは後にホーンから独立し、顔出しユニットとしてプリンスのカヴァーをヒットさせるなど活躍しました。
一度解散後、ホーンを加えて再結成しますが、メンバーの中にロル・クレーム(元10cc、ゴドレイ&クレーム)が入っているのがオールド・ファン的には驚きでしたね。