キッス

続いてはハードロックファンならずとも名前と見た目くらいは知っているであろう、キッスの登場です。
特徴的なメイクとコスチューム、派手なステージセットなどで有名なロックンローラーの彼らですが、やはり流行に乗り遅れたくなかったのか、ディスコソングをリリースしています。
中心人物でベースのジーン・シモンズは、インタビューを読む限り芸術家肌のミュージシャンではなく、どちらかと言うと優秀なビジネスマンのような資質の人なので、個人的にはこの選択は驚きでもなんでもなかったのですが、ファンからは賛否両論だったようでした。


KISS - I Was Made for Loving You


79年のシングル。ビルボード11位、全英50位のヒットとなっています。邦題は『ラヴィン・ユー・ベイビー』。
ダンサブルな16ビートのリズムに、ハードなギターを乗せたこの曲は、彼らの中では異色の作品ではありますが、アメリカ以外にも日本、欧州、オーストラリアなどでヒットを飛ばしています。
80年代半ばくらいからキッスは、それまでのストレートなロックンロール路線からヘヴィ・メタル路線にシフトするのですが、この曲はアレンジを変えつつ現在も演奏され続けています。
自分が97年に東京ドームに観に行った時もこの曲を演奏しましたが、ヴォーカルのポール・スタンレーのキーが高すぎて、サビになるまで何の曲なのか分からなかったという記憶がありますね。
ちなみにPVではピーター・クリスがドラムを叩いていますが、この頃彼はアルコールとドラッグの影響で満足に演奏できなくなっており、実際にはギターのエース・フレーリーのソロアルバムに参加していたアントン・フィグが演奏を行っています。


キッスはメンバーチェンジや音楽的な停滞があって、80年代には人気を落とし一時あのメイクを落として素顔で活動するなど迷走していましたが、LAメタルの勃興とともに息を吹き返し、現在もメタルの重鎮として活躍しています。
昨年もアルバムをリリースし、モトリー・クルーとのダブルヘッドライナーツアーも敢行するなど、まだまだ元気なようですね。