エマーソン・レイク&パーマー

今日もマイブームであるプログレで申し訳ありません。
古いしあまり需要がないだろうというのは分かってるんですけど、このブログは自分の精神の癒しのために書いているものなので、その時興味と関心があるものを取り上げないとなかなか進まないんですよね。
と言い訳したところで、読んで下さる方々を置いてきぼりにしてスタートです。


今回取り上げるのはエマーソン・レイク&パーマー(以下ELP)です。オールドファンの方なら知っていると思いますが、パンク以降音楽を聴くようになった方にとっては馴染みがないかもしれません。
彼らは70年、元ナイスのキース・エマーソン(キーボード)、元キング・クリムゾングレッグ・レイク(ヴォーカル、ベース、ギター)、元アトミック・ルースターのカール・パーマー(ドラムス)の3人で結成されたトリオです。
特徴はクラシックを大胆にアレンジして取り上げるところと、その優れたライブパフォーマンスでしょうか。またモーグシンセサイザーを導入し、当時としては斬新な音作りもしていました。
またメンバーそれぞれが既に他のバンドで名声を得ていたことから、いわゆるスーパーグループのはしりとされることもあります。だいたいスーパーグループというのはすぐ仲間割れして長続きしないものですが、このバンドは通算15年以上も活動し、「プログレッシブ・ロック四天王」にも数えられているのですから、なかなか頑張ったと言えるのではないでしょうか。


彼らの代表曲というと、あのムゾルグスキーの『展覧会の絵』をライブ演奏したものなどたくさんあるんですが、どれも長いんですよね。
というわけで今回は、代表作とは言えないかもしれませんが、比較的短いものだけを見繕って紹介します。


Emerson Lake & Palmer - The Barbarian


70年のデビュー・アルバム『Emerson, Lake & Palmer』に収録された曲。邦題は『未開人』。
バルトークのピアノ独奏曲『アレグロ・バルバロ』を、ロック調にアレンジしたインスト曲です。
ほぼ原曲に近い中盤のピアノは登り詰めていく感じがすごいです。提示部や再現部のオルガンとのコントラストもいいですね。
全体的にヘヴィなアレンジになっていて、楽器の少ないキング・クリムゾンみたいです。
なお映像は途中で切れています。申し訳ありません。


Emerson Lake & Palmer - Nutrocker


71年リリースのライブアルバム『Pictures at an Exhibition』(邦題は『展覧会の絵』)でのアンゴール曲。
言わずと知れたチャイコフスキーバレエ音楽くるみ割り人形』の中の一曲である、『行進曲』のロックアレンジです。
あのクラシックが、こんなに軽快なロックンロールに生まれ変わるなんてと、当時驚いた一曲でもあります。特にパーマーのドラムはすごいですね。


Emerson Lake & Palmer - Hoe-Down


72年リリースのアルバム『Trilogy』に収録された曲。
これはアーロン・コープランドバレエ音楽『ロデオ』の中の一曲『ホーダウン』をロックアレンジしたものです。
スピーディーかつアグレッシブなキーボード速弾き大会になっていて、小気味よくコミカルな曲に仕上がっていますね。
長年にわたって演奏されている、ライブでの定番曲でもあります。


この年ELPは来日し、甲子園球場でもライブを行いましたが、観客がフェンスを越えてステージに雪崩れ込み、あわてた会場側が強制的に電源を切り、演奏が中止されるというアクシデントが発生しました。
ロックコンサートにおける警備方法が未発達だった当時らしいエピソードですが、パーマーはその後20分以上もドラムソロを続け、最後に一礼をして退席したそうです。そのへんはさすがジェントルマンな英国人らしいですね。


その後もELPは活動を続けますが、77年に行ったオーケストラを帯同したライブツアーが大失敗し、巨額の赤字を抱え込むことになります。
それが引き金になってか、彼らはバンドでの活動の意欲を失い、スタジオアルバムとライブアルバムを1枚ずつリリースした後、80年に解散を表明しました。これは当時朝日新聞の社会面にも記事が載り、その頃学生だった僕にも彼らの存在の大きさを改めて感じさせてくれたのを覚えています。
解散後エマーソンは、映画音楽を担当(日本映画『幻魔大戦』や『ゴジラ FINAL WARS』の音楽も担当している)したりソロアルバムを出したりして、精力的に活動しています。
今でもこんなお茶目なこともしてるんでしょうかね。



何の意味があるのか不明だけど、とにかくすごい。


レイクは一時あのゲイリー・ムーアと組んでバンドを結成しましたが、その後ジョン・ウェットンの後釜として一時エイジアに加入したり、リンゴ・スターアメリカ・ツアーのメンバーになるなど、なかなか忙しく活動しているようです。
パーマーはエイジアに加入して大成功を収めたほか、自分のバンドを結成したり、ドラムクリニックを開いたりと、多方面で活躍しています。


なお一時エマーソンとレイクはドラムスにコージー・パウエルを加え、エマーソン・レイク&パウエルとしても活動しましたが、スーパーグループの宿命か長続きはしませんでした。
それでも92年にはオリジナル・メンバーで再結成し、アルバムをリリースしたりライブツアーをしたりして、5年間活動しました。2010年にも一夜だけということで再結成ライブを行っていますが、パーマーが今後ELPとしての活動は行わないと言明したため、以降の再結成は望み薄のようです。