アワー・ドーターズ・ウェディング

今日は友人と会うため時間がなくて、あっさりとした更新になってしまいますが、ご了承頂けると幸いです。
今回取り上げるのはアワー・ドーターズ・ウェディングです。といっても、僕も高校生の頃にラジオで聴いたことがあるだけで、あまり詳しいことは知らないんですが。


アワー・ドーターズ・ウェディングは、80年に米国ニューヨークで結成されました。
メンバーはキース・シルヴァ(ヴォーカル、シンセ)、レイン・リコ(シンセ)、スコット・サイモン(シンセ)の3人組で、アメリカでは珍しいエレポップ・ユニットでした。
彼らは81年、EMIアメリカからミニアルバム『Degital Cowboy』でデビュー、主にイギリスで注目されています。アメリカでは全然売れなかったみたいですね。ビルボードのサイトで検索してもかすりもしなかったですから。
この頃僕もFMでシングル『Lawnchairs』を聴いて、彼らのことを知りました。今は亡きロッキンf誌で『Degital Cowboy』のレビューが掲載されたのも覚えていますね。


Our Daughter's Wedding - Lawnchairs


PVはなかったので、これで音だけでも聴いて頂ければと思うのですが。
この曲は彼らの1stシングルで、英国で49位を記録し、唯一のチャートインを果たしています。
もろにテクノポップサウンドといい、ヴォーカルのクセの強さといい、どこからどう聴いても英国出身としか思えないところがミソでしょうか。
実際このユニットを英国出身と勘違いしている人は多く、僕が昔買った英国のニュー・ウェーブ関係の本にも、普通に載っていたことがあったくらいでした。
話は変わりますが、この曲を聴くとドラムスだけが妙に生音っぽく、しかも上手いのがずっと不思議だったんですね。ところが今回調べてみたところ、なんとあのサイモン・フィリップスが叩いているらしいことが分かりました。
フィリップスと言えばかつてはジェフ・ベックのバックでも叩き、今はTOTOに在籍している名手です。そんな人がこんなところで叩いていたのは驚きですね。
仕事を選ばないところ、頼まれればどこでも叩くところは、故コージー・パウエルと双璧かもしれません。まあそれはそれとして、一介の新人のミニアルバムにこんな有名人が参加するあたり、レコード会社からの期待は高かったんでしょう。


ちなみにようつべで探すと、当時のライブも出てきました。


Our Daughter's Wedding - Target For Life


この曲も『Degital Cowboy』収録曲です。
メンバー全員がシンセを弾いているところは、デペッシュ・モードを思わせるところもありますね。音楽性はちょっと違いますが。
曲自体はまあ可もなく不可もなくというレベルだと思いますが、サウンドやスタイルはやっぱり英国っぽいですね。


彼らは翌年P-ファンク系のミュージシャン、デヴィッド・スブラッドレイをプロデューサーに迎え、初のフルアルバム『Moving Windows』をリリースします。


Our Daughter's Wedding - Auto Music


これは『Moving Windows』からの一曲で、シングルカットもされています。まあこのへんになると、僕も今回初めて聴いたんですが。
P-ファンク系の人がプロデューサーなだけに、ベースラインがファンクっぽいですし、ヒップホップっぽい要素も取り入れられていて、かなり最初の頃とは音の傾向が変わっているのが分かると思います。


しかしこのアルバムは商業的に不発に終わり、以後はシングルを散発的にリリースする程度に活動は縮小され、84年には解散してしまったようです。
今になって改めて聴いてみても、特に個性的なところがあるわけでもなく、そんなに売れなかったのは妥当なのかな、とも思いますが、個人的に『Lawnchairs』は今でも結構好きだったりします。
まあ誰にでもそういう曲ってありますよね。たいして売れなかったし他人に魅力も説明できないけれど、何となく好きってのは。