セパルトゥラ

おおおおおおおおおおおメタルが聴きてええええええええええええっっっ!!!!!!!
それもLAメタルとか北欧メタルとかそういうメロディアスなのじゃなく、もっとゴリゴリしたやつがああああああああああああっっっ!!!!!!!


すみません、取り乱しました。でも時々乱暴な音が聴きたくなるのは本当です。今もそうですし。
というわけで、今回はスラッシュメタルです。80年代英国ポップとか期待していた人はごめんなさい。
今回はいわばブログの中の人の毒抜き作業みたいなものですので、広い心で見逃して頂けると幸いです。


今回取り上げるのは、ブラジルのセパルトゥラです。アルバムを全世界で2000万枚以上も売っており、南米では最も成功したロックバンドではないでしょうか。
このバンドは84年、ブラジルのミナスジェライス州ベロオリゾンテで、マックス(ヴォーカル、ギター)とイゴール(ドラムス)のカヴァレラ兄弟を中心として結成されました。
もともとはブラックメタル*1のような音だったらしいのですが、そのへんのことは正直よく知りません。僕が彼らを聴くようになったのは、彼らがアメリカに拠点を移して、スラッシュメタルを演奏し始めてからです。


Sepultura - Arise


僕が初めて聴いた彼らの音です。初っ端がこれだったのでさすがに驚きました。
この曲は91年リリースの4thアルバム『Arise』のタイトルナンバーで、彼らの代表曲です。
暴力的で邪悪な響きのギターリフ、ひたすら突進するようなヘヴィでスラッシーなサウンド、咆哮のようなヴォーカルとすべてが完璧なスラッシュメタルです。個人的にはスレイヤーの『Angel Of Death』に匹敵すると思いますね。


しかしこれだけだったらただのスラッシュメタルなわけなんですけど、そこで止まらないのが彼らのすごいところです。
単なるスラッシュからの脱却を目指した彼らは、重い音にシフトチェンジしたうえ、そこに母国ブラジルの民族音楽をかけ合わせ、独自のヘヴィロックへと進化していきました。


Sepultura - Roots Bloody Roots


96年リリースの6thアルバム『Roots』に収録された彼らの代表曲のひとつ。
大地を揺るがすようなヘヴィなサウンドに、名前はよくわからないけどブラジルの民族打楽器が絡み合い、躍動感溢れるリズムと一種プログレのような独特の世界を作り出しています。
とにかくものすごいテンションの曲で、初めて聴いた時は開いた口が塞がらなかったのをよく覚えていますね。
民族舞踊やカポエラをフィーチャーしたPVも、異国情緒を醸し出していてなかなか良いです。
あと驚いたことにこの曲は、英国でシングルカットされて19位に入るヒットにもなっています(ちなみにアルバムは英国で4位。ビルボードで27位)。さすがイギリス、懐の深さではどこにも負けませんね。


しかしセパルトゥラはこの後大きな転機を迎えることになります。
ヴォーカルのマックスが英国でのフェスの直前、息子が急死したことを知らされ会場を去ったため、バンドは土壇場でヴォーカリストを失うことになり、3人でステージに立つことを余儀なくされました。それ自体は仕方ないことだとも思えるのですが、バンド内にはもともと軋轢があったようで、この事件をきっかけにそれが増大し、結局マックスはバンドを去ることになりました。
セパルトゥラはアメリカ人ヴォーカリストのデリック・グリーンをヴォーカルに据え、またマックスはソウルフライを結成し、現在はそれぞれの道を歩んでいます。
なおマックスとイゴールの兄弟は、マックスが脱退する前から非常に仲が悪く、マックスの脱退後は10年近く顔を合わせることもなかったそうですが、イゴールも06年にセパルトゥラを脱退してからは、どういうわけか仲直りしたらしく、現在は兄弟でプロジェクトも組んでいます。
何があったのかはよく知りませんけど、兄弟喧嘩は傍から見ていると見苦しいだけなので、関係が修復されたのは良かったんじゃないかと思います。ギャラガー兄弟もいい加減仲直りすればいいのに。

*1:ヘヴィメタルのジャンルの一つ。音楽性は様々だが、歌詞に悪魔主義や黒魔術への傾倒が見られ、反キリストを強く打ち出しているのが最大の特徴。基本的にアンダーグラウンドの音楽で、ファンは商業主義的な姿勢を嫌い、音はクリアでないほうが良いとするなど、独特のこだわりを持っている。またノルウェーのバーズムのように、実際に教会への放火や殺人事件を起こしたバンドも存在する。