レニー・クラヴィッツ

昨日ちょっとだけ名前を出したので、今回はレニー・クラヴィッツです。
この人も黒人のロックとして成功し、特に日本ではアルバムがオリコン1位になったりするほどの人気を得ています。
ただこの人の場合、古いロックやソウル、ファンクが好き過ぎるせいか、往々にしてオマージュと言うか引用的なことをモロにやってしまうのは、個人的にはどうかなと思わなくもないのですが。
たとえばトッド・ラングレンXTCのように意図的な引用がある種のジョークであったり、ミュージシャンとリスナーに共通する好みを記号化したものであった場合は、それが音楽のジャンルに対する愛情を測る物差し的なものにもなるのですが、彼の場合のようにマジ過ぎて解釈が当時のままだったりすると、表層的と言われる危険をはらんでいるんじゃないかと思うのですね。
ただその結果提示してくる音がカッコいいというのは確かですし、エンターテインメント性もすごくある人なんで、僕はなんだかんだ言って好きではあるのですけど。


Lenny Kravitz - Are You Gonna Go My Way


これは93年にリリースされた3rdアルバム『Are You Gonna Go My Way』(邦題は『自由への疾走』)に収録された彼の代表曲。
日産の車のCMソングにも使われた他、「みのもんたの朝ズバッ!」のオープニング曲としても使われているので、大変有名な曲ですね。
僕は最初聴いたとき、そのあまりに古色蒼然としたギターリフの音に、これはジミヘンの発掘音源か?と思っちゃいましたよ。
とにかくジミヘンのまんま。でもカッコいいのも事実。


Lenny Kravitz - Rock and Roll is Dead


95年にリリースされた4thアルバム『Circus』に収録されているシングル。
ビルボードでは75位(全英では22位)と今ひとつふるいませんでしたが、アルバムは初のトップ10入りを果たしたほか、日本でも1位に輝くほどのヒットを記録しています。
この曲もキモはイントロですね。メロディー自体は単調ですし、正直イントロだけあれば、その後は蛇足という感じ。
つーかレニーの曲って出オチみたいなのが多いなあ。それがあまりにも強烈なんで、僕としては別に問題ないと思ってはいるのですが。


ここまで書いていて、褒めてるんだか批判しているんだか分からなくなっているのですが、好きは好きなんですよ。いやホントに。
印象的なギターリフを聴くと才能があるのは一目瞭然ですし、ヴィンテージ機材のコレクターというのも好感が持てますし。
だからこそいろいろもったいなかったよなあ、と思ったりもするのですが、最近の音は聴いてないので言う資格もないか。