L.A.ガンズ

昨日の続き。
ガールが解散した後ヴォーカルのフィリップ・ルイスは、アメリカに渡り元ガンズ・アンド・ローゼズのギタリストだったトレーシー・ガンズ、ファスター・プッシーキャットのベーシストだったケリー・ニケルズと組み、L.A.ガンズを結成しました。
L.A.ガンズはガールよりは初期のガンズ・アンド・ローゼズに近い音で、ちょっとグラムロックっぽい匂いもするスリージーなロックンロールでしたね。
僕はこういう音って嫌いじゃないんで、ガールからの縁もあって結構聴いてました。


L.A. Guns - Sex Action


デビュー・アルバム『L.A.Guns』に収録された彼らの代表曲。
ちょっとダークですが、キャッチーで猥雑な感じのロックンロールです。
モトリー・クルーとはまた違った感じの危ない香りがしていて、L.A.メタル好きにはたまらないんじゃないでしょうか。


L.A.GUNS - Electric Gypsy


これもデビュー・アルバムに収録されていた曲。
一見ラフなようでいて、16分で刻まれる細かいリフが整合感を出しています。
常にシャウト気味に声を張り上げるフィリップのボーカルも、相変らずヘタウマではあるんですが、妙にテンション高くてなかなか良いです。


L.A.ガンズは最初からネームバリューがあって注目を集めていたため、当初はセールスも好調でしたが、90年代に入ってグランジが主流になると低迷し、そのため95年にはフィリップが脱退してしまいます。
その後99年に全盛時のメンバーで再結成しますが、今度はトレーシーが元モトリー・クルーのニッキー・シックスとブライズ・オブ・ディストラクションを結成するため脱退し、以後L.A.ガンズはフィリップ中心に活動するようになります。
そしてここからちょっと話がややこしくなるんですけど、トレーシーはブライズ・オブ・ディストラクションを脱退した後、06年に自らのL.A.ガンズを結成してフィリップに対抗するという暴挙に出ます。そのため一時は同時に2つのL.A.ガンズが存在するという、なんとも複雑怪奇なことになってしまいました。
現在トレーシー版のL.A.ガンズは解散していて、同名のバンドが並立するという最悪の事態こそ終結しましたが、残ったフィリップのほうのL.A.ガンズの活動も、結局は低迷しているようです。
どちらもB級っぽい味があって嫌いじゃないミュージシャンなだけに残念です。