ブロンディ

ニューヨーク・パンクの中には、後に違う音楽性にシフトして大成功を収めたバンドもありました。それがブロンディです。
彼女たちは「ニューヨークのセックス・シンボル」とも呼ばれた女性ヴォーカリスト、デボラ・ハリーを前面に押し出したバンドで、初期は確かにパンクっぽい音を出していましたが英国でしか評価されず、ニューウェーブ的なポップ路線に転向したところ大成功。英米でトップ10ヒットを連発するほどのビッグバンドとなりました。
このバンドの売りは、やはりデボラ・ハリーのセクシーな歌声でしょうか。ほんの短い期間でしたが、マドンナやレディー・ガガに匹敵するくらいの影響力がありました(さすがに褒め過ぎかもしれないけど)。
それとポップで親しみやすいメロディーとB級っぽいチープさもよいです。


Blondie - Heart Of Glass


79年に全米と全英でナンバーワンを獲得した、彼女たちの出世作
プロデューサーはザ・ナックやパット・ベネターなども手がけたマイク・チャップマンで、彼のアイディアによりディスコっぽい曲調にしたことが決め手となって、驚くほどのヒットとなりました。
どう聴いてもニューヨーク・パンク出身とは思えないポップなサウンドですが、どうも彼女たちにはそっちのほうが合っていたみたいで、明らかにパンクの頃より出来がいいんですよね。自分たちの資質を早めに理解して、あっさり転向したのが成功の鍵だったんでしょう。
彼女たちはその後も当時の最先端だったレゲエやラップを取り入れたかと思うと、ガレージ・ロックっぽいアレンジをしてみたりドゥーワップの曲をカバーしたりと、幅広い音楽性を見せています。


その後中心メンバーでデボラの夫でもあったクリス・ステインが白血病にかかったため、デボラが看病に当たることを理由にバンドは解散します。
しかし98年にクリスの病が癒えたこともあり再結成、99年には再結成後初のシングルを全英ナンバーワンに押上げ、根強い人気を示しました。
現在もバンドは活動中。デボラはもう65歳になりますが、今も元気にフロントマンとしてステージに立つほか、女優としても活躍しています。