トーキング・ヘッズ

一昨日、昨日の続きみたいになってしまいますが、今回はトーキング・ヘッズです。
トーキング・ヘッズはニューヨーク・パンク出身のバンドの中では、最も日本では評価が高かったような印象がありますね。


彼らは名門美大の出身で、「インテリバンド」と呼ばれることの多いバンドでした。
痙攣的なビート感や、音の素材をパズルのように組み立てていくトリッキーなポップ・センス、ソウルフルな音楽の影響を受けつつも、それをフェイクで壊していくというスタイルが特徴の、一筋縄ではいかないバンドでしたっけ。


Talking Heads - Psycho Killer


これは初期の代表曲です。
独特の耳に残るフレーズと、ひねているけどキャッチーなところ、当時の白人バンドには珍しいリズムへのこだわりなんかが面白いですね。
しかしデヴィッド・バーン神経症的なヴォーカルは、今聴いてもやっぱり変です。


その後彼らはアフロ・リズムへの傾倒やみがたく、ついにはサポートメンバーに大々的にアフリカ系メンバーを導入、リズムの洪水とも言えるファンキーな音を作り出しましたが、その手法から渋谷陽一に「音楽植民地主義」と揶揄されてましたっけ。
僕個人としては渋谷陽一の言わんとするところもわかるけど、彼らの提示した音も魅力的に感じていたので困っていたのですが、そのうち彼らの日本での知名度が高まり、彼らの音楽を聴くことがオシャレみたいな状況になってからは聴くのをやめてしまいました。
なんかいろいろとイラッとしたんですけど、当時の感情を説明するのは難しいですね。今考えるともったいないことをしたなと思いますけど。


その後バンドは80年代後半には活動停止状態となり、91年に正式に解散。メンバーはそれぞれの活動に入りました。
02年にはロックの殿堂入りを果たし、受賞セレモニーで恒例となっているライブのために一夜だけの再結成を行いましたが、メンバー間には終始冷たい空気が流れていたそうで、再結成は永遠になさそうな雰囲気です。