ジグ・ジグ・スパトニック

今回はジグ・ジグ・スパトニックなんですが、これもどっちかと言うと一発屋の範疇に入るのかな。
まあよくわからないんで、とりあえず適当に書いちゃいます。


ジグ・ジグ・スパトニックは元チェルシー、ジェネレーションXのベーシストだったトニー・ジェイムスを中心として、86年に結成されたバンドです。
ちなみにヴォーカルのマーティン・デグヴィルは、デヴィッド・ボウイそっくりさんコンテストで優勝したこともあるとかないとか。


彼らの特徴は、そのバカバカしさです。
まず衣装からして、ショッキング・ピンクのやしの木ヘアーや金髪のスーパー・リーゼント、そして野球やアイスホッケーのプロテクターやマスク(ヴォーカルは網タイツをかぶっていた)、原色のビニール・パンツをアレンジしたド派手なファッションという、カリカチュアライズされた悪趣味なもの。
そしていたるところに散りばめられた意味不明の日本語に代表される、ケレンだらけの奇怪なアートワーク。そしてDJカルチャーを予言したかのような、エディットに次ぐエディットで構成されるサウンド。おまけに演奏はシーケンサーに任せてひたすらメンバーがかっこつけているだけのライブ、という、センセーショナルなんだかバカなんだかよく分からないところが、強烈かつ無意味なインパクトを与えてくれました。
僕は当時音楽雑誌でこの人たちを見て、「面白そうだけど、こいつらは絶対バカに違いない」と、妙に確信してしまったのを覚えています。


Sigue Sigue Sputnik - Love Missile F1-11


このデビュー・シングルは、エレクトロニック・ディスコの奇才、ジョルジオ・モロダーをプロデュースに迎え(アルバムのプロデュースも彼)、なかなかのヒットを記録しました。
時計じかけのオレンジ』『2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』といった映画のエレメントが満載のPVも面白いです。


しかし順調だったのはここまででした。
ちょっとやり過ぎたのか、彼らはあっという間に飽きられてしまい、2枚のアルバムを出しただけでフェードアウトしてしまいます。
その後トニー・ジェイムスはゴスを代表するバンド、シスターズ・オブ・マーシーのメンバーとなり、またギターのニールXは布袋寅泰と交流を持ち、富士急ハイランドの野外ライブにギターで参加したほか、テレビ番組でヒット曲『さらば青春の光』のバックを担当してました。
そして01年にはまさかの再始動を果たし、ロマンポルシェ。の後押しで来日も果たしています。


そう言えば世界を舞台に活躍するあのブンブンサテライツの名前の由来も、彼らの2ndアルバムの曲から取られたという有名なエピソードもありましたっけ。
意外と影響を受けている人も多いのかもしれません。それはそれですごいことですが。