ラモーンズ

昨晩はどうしても外出しなくてはいけなかった(お仕事だけど)ので、一発気合の入る曲を聴いていきました。
というわけで、今回はニューヨーク・パンクの雄、ラモーンズです。


彼らの音楽性を一言で言うと「ワンパターン」ですね。活動期間は22年間に渡るんですが、とにかくその間ずっと


・シンプルでキャッチーなメロディー


・コードは3〜4つのみを使用


・ダウンストローク一辺倒のリフ


・ギター及びドラムのリズムは8ビート中心


・スピーディーな短い曲ばかり


・ファッションは革ジャン、ジーンズ、モズライト*1一辺倒。


という特徴を貫き通していました。
だから当然曲もバリエーションとかそういうものは存在せず、それどころか昔渋谷陽一のFM番組で「よく似ている曲」の特集があったとき、「○○が××に似ている」の○○も××も両方ラモーンズだった、ということまであったくらいです。
彼らのアルバムはバカバカしくもノリノリな曲が、始まってはすぐ終わり、それを繰り返しているうちに一枚聞き通してしまい、また最初から聴きなおすという中毒性の高いものでした。


こう書くと単なるアホバンドみたいですが、実はその不変の音楽性は評価が高く、世界中多くのロックバンドからリスペクトされる存在でもあります。
世の中でパンクバンドを自称するバンド、またはパンクからの影響を公言しているバンドの数々が、ほぼ必ず影響を受けたとして彼らの名前を挙げるのですから。
またヴォーカルの故・ジョーイ・ラモーンは強迫神経症と戦いながら音楽を続けていた人で、その意味で僕の敬愛する人物です。


The Ramones - Blitzkrieg Bop


76年リリースのデビューアルバム『Ramones』(邦題は『ラモーンズの激情』)に収録されていた名曲、『電撃バップ』。
もう「Hey ho,Let's go!」だけで、僕なんかはもうめちゃめちゃテンション上がるんですが。
このぶっきらぼうなヴォーカル、抜群のノリのよさ、愛想のないシンプルなサウンドと、すべてが完璧。


The Ramones - Sheena Is A Punk Rocker

D


77年の2ndアルバム『Leave Home』に収録されている『シーナはパンクロッカー』。全英22位、ビルボードでは81位。
キャッチーな歌メロが気に入っていて、しょっちゅう聴いています。


The Ramones - Rock'n' Roll High School


79年のミュージカル・コメディ映画『Rock'n' Roll High School』に使われた曲です。全英67位。サントラには他にアリス・クーパーブライアン・イーノの曲も入ってましたっけ。
これまたラモーンズらしい、ポップな疾走感に溢れた曲です。当時の青春パンクみたいなものなのかな(違う)


The Ramones - Do You Remember Rock'n' Roll Radio


80年にリリースされた5thアルバム『End Of The Century』からのシングル。全英54位。数あるラモーンズの曲の中で最もポップなナンバーです。
プロデューサーが巨匠フィル・スペクターということもあって、ウォール・オブ・サウンドとニューヨーク・パンクの激突という形になってまして、彼らにしては珍しくアレンジもなかなか凝っているのが特徴ですね。
なおこの曲は、キッスやクイーン、布袋寅泰もカヴァーした隠れた名曲です。


ちなみに僕は91年のMZA有明(今のディファ有明)での来日公演を見に行くはずだったのですが、仕事が終わって開演ギリギリに行ったら、何とMZA有明が経営不振のため潰れていたという信じられないような逸話を持っています。
一応浅草常磐座で代替公演があったのですが、もともと時間ギリギリだったため当然間に合わず、ガックリ肩を落として家に帰りました。
93年の来日時は都合がつかずに行けず、97年にはバンドが解散。2001年にジョーイ、2002年にディー・ディー・ラモーン、2004年にジョニー・ラモーンが死去したため、結局永遠に生ラモーンズを見る機会は失われてしまいました。
当時は今みたいにネットで情報収集とかできなかったから、当日まで知らなかったんだよコンチクショーと、今思い出しても腹が立ってくる嫌な思い出です。
まあそれは昔のことですからいいとして、やっぱりラモーンズはいいですね。元気が出ます。
そういう意味では僕にとって、ビタミン剤みたいなものですね。

*1:かつてカリフォルニア州に本拠を置いていたアメリカの楽器メーカー。元リッケンバッカーの社員であったセミー・モズレーによって創設され、幾度の倒産を経ながらも1990年代まで活動した。同社製のギターは特有のデザイン、音質から多くのアーティストに愛用され、今も多くの若者に支持されている。